歯周病治療の流れ
1主訴の改善
痛みや腫れなど緊急性の高い応急処置を優先して行います。
2診査
歯周病の病態を把握するために、歯周ポケットの測定、パノラマX-ray写真や16枚法X-ray写真の撮影、噛み合わせの診査のためのお口の型取り、デジタルカメラでの口腔内写真の撮影などを行います。
3診断・病状の説明
歯周病の病態像の把握を行い、今お口の中で何が起こっているのか、また何故起こってしまったのか、そして今後何を行わなければならないのかを採取した資料を見ながら詳しくご説明し、患者様ご自身の病状をご理解して頂きます。今後の展望として治療の方向性(歯周再生療法を視野に入れるべきか否か)を実例を見ながら検討し、治療方針を決定します。
4初期治療
A 炎症のコントロール
歯周病の原因の除去を行います。まず、歯肉縁上に沈着している歯石を除去し、不適合な修復物を暫間的なものに置き換えて、磨きやすい環境に口腔内を改善します。そして歯磨きの練習を行い、歯肉の炎症を改善します。また、動揺している歯の固定や噛み合わせの調整、そして睡眠時に行なっている破壊的な歯ぎしり・食いしばりのコントロールを行います。
B 歯肉縁下の改善
歯肉表面の炎症が改善されてから(初診から、約1ヵ月後)、再度歯周ポケットの検査を行い、治療により健全な状態に改善された歯とされていない歯に分別します。そして改善されていない歯周ポケット内に沈着している歯石や汚れの除去を行います。
C 初期治療後の再評
初期治療後、歯周ポケットの測定を行い、再度改善された歯とまだ歯周組織に炎症が存在する歯に分別します。全顎改善されていればメンテナンスへ移行します。改善されていない場合、再度治療計画を検討し歯周病の外科的処置を行います。
5歯周病の外科的処置
確定診断のためにCTを撮影します。 切除療法や歯周再生療法など、歯槽骨の形態異常を外科的に改善します。また、歯肉の幅と厚みの改善を行うため、遊離歯移植(FGG)や上皮下結合組織移植(CTG)など軟組織の問題を解決します。(後述)
6歯周病の外科的処置後の再評価
歯周組織の再評価を行い、歯冠修復治療やメンテナンスへ移行します。