インプラントは、チタン製の人工歯根です。外科的に顎骨に埋入して2~3ヶ月待機することで、インプラントの表面と骨が結合します。この現象をOsseointegrationといいます。一度インテグレーションしたインプラント体は簡単にはずれることがなく、長期的に口腔内で機能することが出来ます。このチタンと骨が結合する現象を利用したものがインプラント治療です。
例えば歯科治療を家のリフォームに例えましょう。家の柱がシロアリにより侵食された際、それを取り除くと重い屋根を残された柱にみで支えなければなりません。他の柱に十分屋根を支えるだけの負担能力があれば良いのでしょうが、もしそうでなかったとしたら、新しい柱を追加しなくてはなりません。例え通常の状態では問題なくても、大きな地震や強い台風に見舞われたら、恐らく家は倒壊するでしょう。
虫歯により歯の強度を失い、歯周病により歯を支える歯周組織が崩壊すると歯の保存は困難となりなす。不運にして大切な歯を失った際、ブリッジや部分義歯のように残された歯に負担をかける治療法では長期的な安定を得られない場合があります。そこで新しい強度のある柱(インプラント)を追加することにより、重たい屋根(強く噛む力)を残された柱(残存歯)と追加した柱(インプラント)で支え合うことにより、長期的に安定させる方法がインプラント治療です。